2013年11月1日金曜日

落ち葉の季節

今年は台風による豪雨が続いたせいでしょうか、すっきりした秋空が少なかったように思います。そしていよいよ落ち葉のシーズンを迎えます。教会の敷地内だけでも榎の大木が二本と桜の大木が一本あり、隣の敷地にはわたしが名前を知らない落葉樹が何本もありますから、それらがすべて葉を落とすと庭は落ち葉だらけになります。でも、信徒の方々が目につかない形でお掃除の奉仕をしてくださいますので助かります。
落ち葉の掃除というとある話を思い出します。ある教会に老司祭ご夫妻が住んでいました。このシーズンになると必ずご夫妻で朝早く起き、敷地内だけでなく、教会に接する道路までもきれいにお掃除をされていました。付近の方もそれをよくご存じの様子でしたが特に感謝やねぎらいのの言葉をかける人はいなかったようです。ある朝、老司祭が掃除をしながら独り言のように「近所の人も手伝ってくれるといいのに」と言ったその瞬間、お連れ合いが一喝されました。「あなた、そんな気持ちでやっているなら明日から掃除はやめなさい!」と。これには老司祭も完全に参ったとのことです。

司祭職にあるものは当然のことながら主日の礼拝で説教をいたします。多分「施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはいけない(マタイによる福音書6:3)」の個所に関する説教もしたことでしょう。でも司祭といえども人間です。心の片隅にはやはり近所の人も協力してくれるとありがたいのだが、という思いもあったのでしょう。すごいのはお連れ合いでした。このような光景はもしかしたらどの聖職の家庭にもみられることなのかも知れません。
司祭 ジェローム 村上守旦

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